出展:マスターズ甲子園

マスターズスポーツとそのムーブメント

人口の高齢化とともにスポーツ参加に対するニーズや潜在性も多様化している中、「する・競う・極める」ことを意識したシニアスポーツ愛好者の活動機会が拡大している。

海外では「技を磨き競う」というスポーツの本質的な楽しみ方を加齢に伴って発展・成熟させていこうとする熟年層のアスリート人口が急速に増加しており、成人・中高年期のスポーツ夢舞台とも言える各種マスターズイベントが、世界、複数国、全国、あるいは地域レベルでも組織化されてきている。

マスターズスポーツという用語に関しては、高齢者だけを対象とした一部の人々のためだけのエリートスポーツという固定観念があったが、マスターズスポーツの国際振興機関である国際マスターズゲームズ協会(IMGA:International Masters Games Association)は、「Sport for Life(人生のためのスポーツ)」という理念を掲げ、30歳以上の成人・中高年者の誰もが国際舞台でスポーツの競技を楽しむことを可能にする「ワールドマスターズゲームズ」を開催している。

マスターズスポーツの意味はまだ定着していないが、このワールドマスターズゲームズを含む国内外のマスターズスポーツ大会の内容と大会理念をレビューすると、マスターズスポーツとは「過去や現在のスポーツキャリアにとらわれず、成人・中高齢者の個々人が、自己のスポーツ意欲や技術の向上、競技する楽しみ方を成熟・熟達化させていこうとするスポーツライフ」と定義することができる。